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鍛冶屋さん訪問1〜水野鍛錬所1

日本刀と包丁を鍛える堺の名鍛冶「水野鍛錬所」その作品、工房などをご紹介いたします。

8月6日猛暑の中、そして11月7日秋晴れの中と2度、水野鍛錬所をお訪ね致しました。
お忙しい中、何度もおじゃまして申し訳ないですが、本当に素晴らしい鍛冶屋さんでみなさんにぜひいろいろ知って頂きたいです。
ご案内いただいたのは、4代目で社長の水野康行氏。

背の高い体格のいい武道家のような方で、康行氏よりいろいろ興味深いお話を頂け大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
お仕事への情熱、作品に対するこだわりと誇り、優しいお人柄がそのお話の端々から伝わってきます。


工房入り口に立つ康行氏。
後ろには「鍛鐵降魔」の文字を彫り込んだ木彫り看板が見えます。
同鍛錬所は、昭和24年、法隆寺大改修の際、国宝五重塔九輪にある、
四方魔除け鎌を「鍛鐵降魔」の古式を踏まえて鍛造奉納されています。
これには、法隆寺を解体した時の古くぎから取った玉鋼をもちい、鍛えたと言うことで、その同じ鎌を見せていただきました。
法隆寺五重塔の上にある九輪
法隆寺五重塔の上にある九輪の四方に、魔除け鎌が備えられています。
(画像クリックでアップします)
これがその鎌


こちらが聖徳太子もご覧になられたかも?の法隆寺の古くぎです。
また、三代目刀匠水野昭治氏は全日本学生相撲選手権優勝者へ送られる刀の鍛刀もしており、元横綱輪島関をはじめ、朝潮関や久島海関なども水野氏の鍛えた刀を持っておられるとのことです。
ちなみに、水野氏の鍛えた、日本刀は普通で買うと300万円はするらしいです・・・

工房


 すでにお盆前ということで、お仕事はあまりされていないと言うことでしたが、
工房におじゃまいたしましたら丁度、昭治氏が、道具を作っておられました。

水野昭治氏は、重要無形文化財保持者、月山貞一師に鍛刀技術を学ばれ、1981年全国伝統工芸品展に和包丁「本焼柳刃」を出品、中小企業長官賞を受賞されました。

これが翌年、堺打刃物が伝統工芸品に指定される礎となるなどまさに堺を代表する鍛冶屋さんです。

今でも昔ながらのふいごを使い、松炭で、鍛造されています。

あくまでも、効率を優先するのはなく、短い鋼を丹念に叩いて鍛え伸ばしていくことにより本当に良く切れて、粘りのある良い刃物をつくることにこだわっていらっしゃいます。


火が消えてひっそりとお盆明けの仕事を待つ焼き入れ釜と、水

工房にはたくさんの包丁のひな形と、はしと呼ばれるやっとこのような道具が並んでいました。
こちらは、大きな鯨包丁用の型
いつの日か鯨漁が解禁になる日を待っているかのように鯨包丁のひな形が壁に掛かっていました。


その作品の世界
 古式鍛錬の技法を用いて、鍛えた和包丁、各種打ち刃物の切れ味、美しさはまさに素晴らしいの一言です。
ふぐ引き包丁
本焼

 和食の世界で有名な、てっさ(ふぐ刺し)用の薄型の柳刃『河豚引き包丁」は水野鍛錬所が考案、料理人の技術を支え、日本料理の世界をより奥深い物にするためになくてはならない物として、世に広まりました。
このように、伝統を重んじながらも、時代の流れの要請に応え、常に新しく素晴らしい物を生み出すべく努力されている、すばらしい鍛冶屋さんなんです。

水野さんのところの製品は、普通の柳刃でもすごく薄いんですが、このふぐ引きは、とても薄くしかも驚異的なしなり、弾力性があります。
 
こちらは「青鋼DX」の裏面

低い温度で鍛接された小さな鋼を丹念に叩いて叩いて伸ばして、鍛えた河豚引きは、薄くても大変弾力性があり、粘りと切れ味を最大限に引き出します。

共柄 鍛造ナイフ  8層 両刃 全長250mm 刃渡り 120mm

ダマスカス調の多層鋼の紋様が美しく、ずっしりとした手応えのナイフ。
同鍛錬所のお客様より、「山へ行くのに1本だけ持っていて、安心できる物を作って欲しい」
との要望より鍛えた逸品。
鍛冶屋さんというのは1本だけというのは作らず、2本作って気に入った方を買ってもらいそのもう一方の方がこの品。
すでに、売約済みと言うことで、今回見せていただきました。

お客様より、ご要望があればまた作ることは可能とのことです。
但しいつ迄とか日を区切られると困るとのことで、納期無しになります。
その分、素晴らしい物を作っていただけるのは間違いございません。

切り出しナイフ 青鋼特別鍛え
ものすごく素晴らしい出来の青鋼切り出しナイフです。
伝統工芸品展に出品した作品。
独特の肌目がすごく特徴が有り、大変評判になった作品です。

刀子型 ペーパーナイフ
全長210mm、刃渡り70mm 
Aタイプ 
Bタイプ 

正倉院宝物刀子をモデルに作られたペーパーナイフです。
ディスクの上に一つあるとなんだかとても嬉しくなる、そんな気がする美しい形のペーパーナイフです。
切り出しナイフなどでは無骨なデザインの多い水野鍛錬所ですが、実は大変繊細で美しい物も作られております。
桐箱入り。
詳しくは和式ナイフ販売コーナーへ

水野鍛錬所訪問2
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