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鍛冶屋さん訪問3〜越前鍛冶五代目「浅井打刃物製作所」

福井県武生市、700年の伝統を持つ打刃物の町で、
五代目の刃物鍛冶、浅井正美(あざいまさみ)さんの工房をお訪ねしてきました。

浅井丸勝の鍛冶銘で知られる、浅井さん
永切れして非常に美しい刃面を持つ和式ナイフと、切れ味抜群の薄刃包丁を打っておられます。

また、「武生ナイフビレッジ」の代表理事を勤め、
J・K・G (ジャパン・ナイフ・ギルド)の会員で、毎年、東京・堺・関で開催されるナイフショーには必ず出品されています。

昭和23年1月29日、武生市に鍛冶屋さんの長男として誕生

その当時、お父さんは片刃、両刃と両方をこなす鍛冶屋さんだったそうですが、弟さん(おじさん)が分家する際に、お父さんが両刃、弟さんが片刃の仕事をすると言うことで分かれたそうです。

お父さんが38歳で病気になったため、中学卒業と同時に家業を継ぎ、その後、菜切りを打たせたら右に出る者は無い、と言われた中値安市氏の元へ修行にでたりして腕を磨いたそうです。

同じく、越前鍛冶の「佐治武士」さんとは、同い年ですぐ近くに工房をかまえておられます。

手造りのカスタムナイフや、和式ナイフ、包丁などを見せて頂いた後、工房を見学させて頂きました。

左は手入れの行き届いたベルトハンマー。

真ん中に、鍛冶が立つ場所が一段低くなっており、その右手に火床(ほくぼ)があります。

「じゃあちょっと火を付けてみましょう」と気軽にお仕事を見せて頂きました。
左が元の鋼材、これを何度も赤めては叩き、鍛造していって、柄に付ける中子の部分を含めて右の大きさまで伸ばします。

浅井さんといえば、独特の「二枚打ち」です。
この日も見せて頂きましたが、叩いて延ばしてある程度の形、大きさになった時点で2枚重ねて叩き、伸ばしていきます。
2枚重ねることにより、鋼材が冷えるのを防ぎ、より薄く伸ばしていくことが出来ます。

この技術を応用した、ステンレス系の新素材「V金10号」を使った多層鋼包丁の鍛造も見せていただきましたが、
まさに見事としかいいようのない技でした。

勿論切れ味も素晴らしく、10月23日にお伺いした時に「これはいい!ぜひ売らして下さい!」と分けていただき、
持って帰って早速妻に使わせていますが、3ヶ月経った1月末の現在まで、グレステンシャープナーで
1〜2度「シャッ、シャッ」とやっただけでよく切れています。

実は、私(店主桜井)ステンレスって鍛造効果があまり無いと聞いていましたのですが、考えを改めました。
はやり、高炭素のステンレス鋼ですので、鍛造することにより、粘りが増し、切れ味も良くなるようです。
その辺の、型抜きして焼き入れしただけの物とは全然違いますね(^^)

しかも、錆びませんのでいいで気分的にも楽でいいですね。
さすが、名人「丸勝作」の銘を入れた包丁だけあります。

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