池内刃物の小刀造りの様子

池内刃物の小刀造りの動画を貼ってみました。
script_ameba_vision_movie,http://visionmovie.ameba.jp/mcj.php?id=fcs52qg75nW:bhbV:Nj:ea:z.Jkz55YR76RFf7/xmLbmbVXPogKJUd:Dx_G:xV:QO:XXVpPLbIZX8QHhckOmiMq/&width=320&height=240&skin=gray
戦前の古鉄(鎖)を叩き伸ばして、ハガネを付け鍛え上げて切出し小刀を作ります。
詳しくはこちらへ

三木たたら製鉄

2月10日、高橋和己特殊鑿製作所製の高橋さんからお声がけいただき、
三木市金物資料館前で行われた『たたら製鉄』を見学してきました。

『たたら』とは、日本古来の製鉄方法で、日本刀などに使われる、
純度の高い鋼『玉鋼』を作る方法です。

炉の中に木炭と砂鉄を入れて鉄を作る方法で、二種類の製法があるのですが、
こちらでは砂鉄から「けら」といわれる鉄塊を作る、けら押し法(直接製鉄法)
での操業での操業となります。

朝8時半頃、金物神社内の三木市立金物資料館前に行くと、すでに炉に
火が入り、大きな炎が上がっていました。

三木市金物神社  たたら製鉄

炉は2基、送風口が3個の3本羽口炉と、4つある4本羽口炉です。
これらは、古式鍛錬技術保存会の研究グループ「和鋼製鉄部会」が
中心となって、毎年創意工夫を凝らしながら、操業の都度、改良して
いるそうです。

午前9時、いよいよ炉に砂鉄を投入します。

砂鉄  たたら製鉄 炉の中

これは砂鉄を、のりで固めて団子状にしたもの、これをその都度計量しながら、
木炭と交互に投入していきます。
炉の中の様子を見ながら、この作業を、何度も、何度も繰り返します。
この時の、炉の中の温度は1500度ぐらいだそうです。

そして、ノロ出し

たたら製鉄 ノロ出し

炉の下側側面に作られている、ノロ出し口を開けて、ノロを出します。
鉄の溶解したものに見えますが、これは砂鉄に含まれる不純物と、
炉の土が、反応して出来た物です。
900度から1000度ぐらいあり、ガラス質でした。

午後、いよいよ炉の解体、けら出しです。

たたら製鉄 炉の解体1   たたら製鉄 炉の解体2

何段にも積まれた、炉を順番に解体していきます。
(これは、ほんとすごく工夫されて作られています)

たたら製鉄 鉧(けら)  たたら製鉄 鉧(けら)アップ
真っ赤に焼けたけらを、水で焼き入れ。
取り出された、けらがこれです。
光ってるところ、すごく美しいですね。

たたら製鉄 鉧(けら)計量

投入した砂鉄30kgで、6.6kgのけらが出来ました。

こちらに、ムービーも貼っておきます。

高橋和己特殊鑿製作所さん

所々に、雪が残る寒い日でしたが、日本剃刀を造ってもらっている、三木市の『高橋和己特殊鑿(のみ)製作所』さんを訪問してきました。

三木の雪景色

こちらは、明治中期から、四代にわたって木彫り鑿(のみ)や、特注の特殊鑿を造っている鍛冶屋さんです。

高橋和己特殊鑿製作所

現在は、三代目で伝統工芸士の高橋和己さんと、四代目の典三さんが仕事をされています。
『高橋和己特殊鑿(のみ)製作所』さんのホームページをご覧頂くと分かると思いますが、四代目の典三さんは、すごく研究熱心な方で、独自でたたら製鉄をされたり、いろんな刃物を造られたりしています。

鋼材や母材の数々

仕事場にはたくさんの、鋼材や材料などが並べられていました。

ベルトハンマー

こちらは、火造りをする鍛冶場、鋼の色を見るために薄暗く、裸電球が一つ付いているだけです。
残念ながら、この日は火造りはしていませんでした。

焼き入れ用火床

こちらは、焼き入れ用の火床とふいご。
その隣には、水温が安定するよう土中に埋められた水槽があります。

一通り、仕事場を見せて頂いた後、事務所でいろいろお話を伺いました。

特殊のみ 鉋・鑿・切出し
特注の鑿を中心に、彫刻刀や、薄い刃物から、鉋その他いろんな刃物を、造っておられます。
昔からの手法を守り一つずつ丁寧に、手造りしてきたからこそ出来るのでしょうね。
すごく細かいところまで、こだわって造っておられるのがよく分かります。

玉鋼と日本剃刀

玉鋼と、玉鋼で造った日本剃刀です。
玉鋼から現在の普通鋼の話までいろいろお伺いしましたが、ほんとすごく興味深かったです。

伝統工芸士の証

伝統工芸士の認定証など・・・

槍鉋ほか

槍鉋や、特殊のみの数々・・・

天然砥石

話は、天然砥石のそれぞれの研ぎ感や、「いい砥石とは」と砥石談義にまで・・・
経験に裏付けされた、幅広い蘊蓄をお伺いしました。

【日本剃刀(カミソリ)】 桐箱入り

高橋さんの造る伝統の『日本剃刀』